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写真の「チカラ」 #13 森 誠

約 3 分

鉄道写真を志す環境があった

僕の年代にはいわゆる「鉄ちゃん」が多かったが、僕も漏れずに「鉄ちゃん」だった。そういう意味では、育った環境がよく、周りには鉄道の路線がたくさんあり、車両を見る機会がたくさんあったのだ。また、親の実家が九州だったこともあり、帰省する際には、電車の旅が多かった。それから独りで九州内を「鉄道旅」に行ったりしていた。とにかく鉄道に乗るが楽しかった。写真に目覚めたのは、小学6年生になって中古の一眼レフカメラを購入するようになってからだ。最初はカメラの使い方もわからず右往左往していたが、周りの大人たちが親切に教えてくれた。そういう環境が当時はあったのだ。その後、興味津々な「お年頃」になると、もれなくバイクやクルマにも興味を持ち、多趣味な青年としてすくすくと育ったのだ(笑)。

伝えたい思いや景観がある

そんな幼少時代を過ごした?僕なので、その頃の思い出が色濃く残る。そのときに見た色褪せない景色や思い出をそのまま皆さんに伝えたいという気持ちで今も写真を撮っている。今なら、当時よりも構図やカメラの技術も上がっているので、よりイメージ通りに撮ることができる。いろいろな駅で出会い親しくなった友人。そんな鉄ちゃん仲間がたくさんいたのだ。楽しい思い出だけではない。当時仲の良かった友人は事故で亡くなってしまった。今は、「その友人の分も撮らないと」という気持ちでシャッターを切っている。いろいろな思いをのせて、僕の写真は存在するのだ。
鉄道を撮るのは難しい。動体撮影である以上、ピントや構図も目まぐるしく変わる。そして、次の電車まで感覚がある場合には、まさに「一発勝負」の世界。緊張もするが、そのスリルも今は楽しめている。これかも自分の日常に溶け込んでいる列車を撮り続けたい。


森 誠  もり・まこと

京都府生まれ。写真家の高橋靖氏に師事。2003年より独立後Photo’s Zero設立。鉄道関係の広告を中心にJRなどのTVCMにも協力。写真教室や鉄道イベント、鉄道フォトコンテスト審査委員長などで活躍。鉄道のある日常風景や人物などを撮影する日々。(公社)日本広告写真家協会 正会員(APA)・関西支部副部長。日本鉄道写真作家協会 正会員(JRPS)理事。シュピーゲル写真家協会会員。焼きそば男子でもある。