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FUJIFILM X100V SHOOTING REPORT

約 5 分
FUJIFILM X100V・1/500秒・f2・ISO160・マニュアルモード ※テレコンバージョンレンズ使用

こういうコンパクトデジタルカメラが一台あるとテンションが上がる

2020年2月下旬に発売になった富士フイルムのX100V。筆者は初代のX100からこのシリーズを愛用している。その理由の一つとして挙げられるのは、その「コンセプト」だ。富士フイルムのカメラらしい色合いがとても好きで、このカメラではないと味わえない色味があった。またX100に搭載されている23㍉(35㍉判換算で35㍉相当)のレンズは開放値であるf2で撮影すると、とても「あまい」写真になり、どこかデジタルではないような写真に仕上げることができた。ポートレートだから開放で撮るというわけではないが、初めてのカメラやレンズを手に入れると、どうしても開放値で撮りたい衝動にかられ、開放値で撮りまくる(笑)。整理がついた背景の場合には少し絞り込んでf4程度で撮ることが好きだ。
このX100Vの一番変わったなと感じる部分は、このレンズ部。同じ23㍉なのにも関わらず、Ⅱ型になったことで全く違うレンズと感じるほど開放値での「味付け」が変わった。これなら積極的にf2での撮影が楽しめ、少し背景をボカしたポートレートスナップが可能になるだろう。F5.6程度まで絞り込むことで、全体的にしゃきっとした絵になり、風景写真などにも十分使える。その外観からは想像がつかないほど、実は「マルチ」に使えるコンパクトデジタルカメラだと感じる。

FUJIFILM X100V・1/850秒・f2・ISO160・絞り優先モード ※テレコンバージョンレンズ使用

スナップでこそこのカメラの「意味」を感じ取れる

細かいスペックはメーカーサイトにお任せして、このカメラの面白いところは、ワイドコンバージョンレンズとテレコンバージョンレンズの設定があることだ。それもどちらも装着時にf値が変化しないのが特長。明るさはそのままで画角だけを変えることができる優れものだ。このコンバージョンレンズがあれば、35㍉判換算で28、35、50㍉のレンズを3本持っていることになり、大体のスナップ撮影が可能だし、ポートレートも十分にこなせるカメラになる。コンバージョンレンズも小型かつ軽量なので、ポケットに忍ばせておくことができる。画角を変えたいと思ったら、スッと取り出し、ねじ込んで使えばいい。そういう使い方が似合うカメラだ。街中でポートレート撮影をするときには、あまり大掛かりな装備は持ち歩かない。できれば「目立ちなくない」のだ。カメラもレンズも小さいに越したことはないし、スタイリッシュに撮影することが重要だ。このカメラならそのすべてが叶う。

FUJIFILM X100V・1/950秒・f2・ISO160・絞り優先モード

フィルムシミュレーションモードで自分好みに仕上がる楽しさ

今回の作例はすべてフィルムシミュレーションモードの「クラシックネガ」を使って撮影した。昔の懐かしさが漂うこのフィルムシミュレーションが使いたくて、このカメラを買ったようなものだ(笑)。自分自身が抱いているX100のイメージとクラッシックネガはとても相性がいいように感じたのだ。結論からすれば、まさにベストマッチ!イメージ通りの写真に仕上がった。なんとなく「レトロ昭和」なイメージが撮影してすぐに手に入る。これはちょっとした革命だ。RAWで自分の好みの方向性に持っていくような「煩わしさ」から開放され、その分写真一枚一枚と向き合えるのだ。
後はシャッタースピードと絞りをマニュアルにして、自分らしさを見つけるためにひたすらシャッターを切る。EVFが搭載されているから、露出はリアルタイムに反映される。だからこそミラーレスカメラもそうだが、積極的に「M」モードを楽しめる。後は「光」と相談したり、時には戦ったりしながら、作品のイメージを作り上げていく楽しさがこのカメラにはあるのだ。まさに今昔のハイブリッドカメラがX100Vだ。

FUJIFILM X100V・1/500秒・f2.8・ISO160・マニュアルモード ※テレコンバージョンレンズ使用

欲深く言いたくなるほど使い込むのが楽しい

撮影して気になったのは、電子シャッター音とRAW+JPEGでの復帰の遅さだ。電子シャッター音は任意でいくつかから選べるが、どの音もポートレート撮影時にテンションが上がる音ではない。レンズ内シャッターを採用するX100Vは電子音を鳴らさないと音がほぼ無音状態だ。モデルに「いつ撮っているのかわからない」と言われてしまうほど。最近のミラーレスカメラもシャッター音が大人しいものが多いが、それ以上に静かだ。だから電子音は以外に大事で、それなりの音にしてくれると嬉しい。
それと、下手くそな筆者はどうしても「保険」をかけてしまい、RAW+JPEGで撮影してしまう。そうなると、そこそこ速いclass10のカードを使っていても、待機してしまうことが多く、テンポのある撮影ができないことがあった。もちろん、連写しているわけではなく、流れに任せるままにシャッターを切っていても、長い読み込みのためもたつくシーンがあった。それがいやなら「X-T4を買え」ということなのだが、無い物ねだりの悪い癖だと思ってほしい。
ただその2点を除けば、文句の付けどころがないほど「所有欲」と「イマジネーション」を掻き立てくれるカメラなのだ。なんとなくデート気分な撮影には最適なポートレートカメラかもしれない。

FUJIFILM X100V・1/5800秒・f2・ISO400・絞り優先モード

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文・撮影/大貝篤史 モデル/林 恵理

■富士フイルム X100V
https://fujifilm-x.com/ja-jp/products/cameras/x100v/