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写真の「チカラ」 #30 コムロミホ

約 3 分

写真は自分の大切な思い出の証

私にとっての写真とは「大切だと感じた瞬間」を残せるもの。

もともとカメラを握るようになったきっかけは、親族や友人の写真を撮るようになったことがきっかけだ。中学生の時には使い捨てカメラ(写ルンです?)で、空や景色を撮り始め、さらにハマった。その頃に撮った景色はすでに変わってしまったが、当時を振り返ることができるのが「写真」のいいところだ。自身が当時見た景色を次の世代や様々な人に残すことができる……。これほど魅力的なことはない。もっとたくさんの人に自分が見たものを見てもらいたいと思い、今でもスナップ写真を撮り続けている。

そのときに感じた気持ちを伝える

プラハで犬を撮影させてもらったことがある。その後、そのときの写真を再度プラハに赴いたときにプリントして持参し、飼い主に渡しに行った。飼い主の人は、とても喜んでくれたのだが、残念なことにその時の犬はすでに亡くなっていたのだ。飼い主にとっては変わることのない愛犬との時間と記憶……。そのたくさんの思い出の中のたった1ページだったかもしれないが、写真に収めることができたのは、とても「感謝」と「喜び」を感じた。街で出合って撮った偶然の写真でも、その人にとっては貴重なものになる。これこそが「写真」の素晴らしさだと思う。これからも「血の通った写真」を撮り続けたい。

カメラを使いこなすにはそれなりに努力が必要

カメラを最初から手足のように使いこなせたわけではない。そのためにはそれなりの努力と挫折があった。それでも使いこなせるようになりたいと思ったのは、それだけの魅力がある「道具」(ツール)だったからだ。10人の写真家のアシスタントを経て、ようやく一人前の写真家になった。その根本には「人の心」を大事にすることがある。自分の心が動いた瞬間に、シャッターを切ること。これがもっともカメラを使いこなすのに必要な「儀式」だ。構図や理由などは、後付けでもいい。撮りたいという強い思いと意志が必要だ。
そういう意味では、コミュニケーションツールとして、カメラはとても有効なものだ。たとえ言語が通じず、単調な会話だったとしても、カメラを通すことで「会話」ができてしまう。そして、そのことで勇気をもらえ、旅が何倍も楽しくなるのだ。だからこそ皆さんにも、もっとカメラを使ってほしい。そして、自分の世界観や残したい記憶を刻んでほしい。

コムロミホ

文化服装学院で学びファッションの道へ。撮影現場でカメラに触れるうちにフォトグラファーを志す。アシスタントを経て現在は広告や雑誌で活躍。街スナップを ライフワークに旅を続けている。カメラに関する執筆や講師も行う。