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パナソニックの新製品発表で思うこと【LUMIX G100/G110】

約 5 分

変わりゆく「カメラ」のあり方

https://www.panasonic.com/uk/consumer/cameras-camcorders/lumix-mirrorless-cameras/lumix-g-cameras/dc-g100k.html

Panasonic LUMIXシリーズの新製品が海外で発表。変わりゆくマーケット

パナソニックは、LUMIXシリーズの新製品「LUMIX G100/G110」を海外サイトで発表。国外では7月下旬に発売するという。日本での発売はいつになるのか、気になるところだ。プロモーションビデオを見る限りでは、今流行りのVideo Vlog(以下、Vlog)をかなり意識したものになっている。その割にはなんとなく「カメラらしい」フォルムをしているように感じるのは筆者だけだろうか。このあたりは「ハイブリッドな使い方」を提案していくという現れなのか。

センサーは有効画素数約2000万画素のマイクロフォーサーズセンサーを搭載。センター部にあるEVFは高精細な約368万画素で視認性は良さそうだ。LUMIX GX7 MarkⅢのような「見え方」だと少しがっかりするが、写真で判断すると少し違うように感じる。Vlog向けとはいえ、EVFを内蔵しているところに静止画も意識しているように感じ好感が持てる。 海外サイトを確認するに、動画性能は4K/30Pを基準に、シネマライクな24P、Web配信を意識した1080/60Pでの撮影が可能。よりダイナミックレンジが広いV-Log Lでの記録も標準でできるという。LUMIX G9 PROやS1は有償ファームウェアアップデートが必要だが、LUMIX G100/G110は標準装備というところだろうか…。

動画配信で使うことがこれからはスタンダードなのか

背面モニターに関してもフリーアングルタッチ式を採用しており、「自撮り」や「インタビュー対談」など、まさにVlogerの使い勝手を意識したものになっている。動画配信撮影を意識したモデルであることを強く印象付けたのは、「音源クオリティー」の向上を狙っているところだ。ノキアの「OZO Audio」を搭載し、3つの内蔵マイクが本体に内蔵。カメラが人物の検出を行い、自動的に最適なサウンドモードを選んで録音してくれる。動画コンテンツのクオリティーを上げていくうえでスチルカメラマンがぶち当たる壁は「録音」だ。より高品質な音源を手に入れるために、PCMレコーダーを使用したり、ガンマイクやピンマイクを色々と購入して試すのだが、その散財ぶりは筆者自身もそうだがひどいものだ(笑)。 もし仮に内蔵マイクである程度納得できるレベルで録音できるのであれば、非常に楽しみな新機能だ。またオプション(?)で動画撮影用のグリップも発売。握りやすいハンドタイプでありながらも、三脚的な使い方ができるスグレモノ。画像を見るに、リモートシャッターや録画のスタートアンドストップができるようになっている。

YouTube動画から抜粋

カメラなのにフォトグラファーがメインターゲットではない時代がきた

新型コロナウイルスの影響で大打撃を受けているカメラ市場。新しい生活様式の推奨も進む恐れがある昨今、動画需要は大幅に増えている。そういった世の中のニーズに対応していくためにも、スチルカメラとしての性能追求ではなく、幅広いニーズに対応できるマルチデバイスとしての生き残りを各社実践し始める「序章」に入った。そして「序章」が「終章」にならぬようにしていく必要があるのではないか。 この動きから推測できるのは、これからはビデオグラファーやYouTuber、Vlogerへのカメラ販売促進のプロモーションに大きく動き出すということだ。乱暴な言い方をすると、フォトグラファーがメインターゲットではなくなるかもしれない。パナソニックだけではなく、全体的なこういった動きにとても危機感を覚えるのも事実だ。しかし、怯えていても仕方がない。逆手に取って、フォトグラファーだからできる「動画表現」を今こそ見出すことが重要だ。スチル撮影で培った知識をフルに使い、「写真愛好家だからこそ」の動画表現を今こそ示すときだろう。筆者は、約10年前に動画のディレクターをしていたことがある。自分で録ることもあったし、ディレクションのみのときもあった。当時「EOS MOVIE」が流行り、こぞってEOS 5D MarkⅡを購入。一眼レフカメラならではの被写界深度の浅い映像に皆魅了したものだ。それから約10年、AF性能の飛躍的な進化、AI技術の普及、センサーや画像エンジンの進歩……。とにかく「進化」が止まらなかった。その10年の間に進化しなかったのは、撮り手(人間)の「想像力」だったのではないか……。もしそうであるのであれば、今こそ我々がテクノロジーに追いつく番だ。パナソニックにとって、マイクロフォーサーズという優れたセンサーを多目的に展開することで、「生き残り」をかけている。今後、増え続けるこのようなコンセプトのカメラで「できること」を世の中に提案していきたい。

YouTube動画から抜粋

※海外発表の情報を元に記載しているため、実際の製品版と異なる場合があります
※日本での発売などに関しては一切情報がございません

文/大貝篤史

参考・引用

LUMIX G100/G110 YouTube
Panasonic UK

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