orphotograph

写真の今がわかるWeb情報マガジン

LUMIX G100 SHOOTING REPORT

約6分

再認識したマイクロフォーサーズの面白さ

 2020年8月にパナソニックから発売したLUMIX G100。小型スチルカメラという方向性よりも「動画」をより意識したミラーレスカメラだ。朝日新聞出版のAERA dot.で記事化しているが、U30の若い層をターゲットにしながらも、本格的な写真と動画が撮れるカメラとして十分な機能を有している。
 上位モデルであるLUMIX G9 PROを使用している筆者だが、マイクロフォーサーズ・システムのサブ機として持ち歩いている。ボディーが小さいから「サブ」と言っているだけで、メインカメラとして使えるほどのクオリティーの撮影が可能。なんと言っても「歩きながら撮る」という機動力を重視した撮影にはもってこいのカメラ。小型かつ軽量であることを生かした撮影ができ、そもそも「マイクロフォーサーズの進化はこういうものだったはずでは?」と思う。
 有効画素数約2030万画素あれば、A3ノビでの印刷には十分耐えるし、Webで写真作品をお披露目する時代ならなおさらだ。今回は作品撮りということで、ポートレートシーンで使ってみたが、むしろアグレッシブな撮影ができる。ポートレート撮影をメインのヒトは「マイクロフォーサーズはボケが浅いから」という理由で使わないヒトが多い。正直それは事実だし、使い方に「工夫」が必要だ。今回は最大限ボケを意識したレポートにしたかったので、レンズはマニュアルフォーカスのみ対応のマイクロフォーサーズ対応の「NOKTON」シリーズ(f0.95)を使用。開放値がf0.95なので、35㍉判換算でf1.8相当に該当するボケ味を体感できる。その辺りも実際に作例を見ながら検証したい。

純正レンズはさすがの結果。NOKTONシリーズは開放値のパープルフリンジが課題

 実際に撮影しての感想は、十分にポートレート撮影でも使えると感じた。純正レンズはLEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II ASPH.をメインで使用したが、開放値で使用しても十分な解像感を得られるし、ボケ感も開放値であるf1.4を選び、被写体との距離を約2~3㍍ぐらいの間隔で撮影していれば、質のいい「ボケ」を味わえる。特に逆光時のフレアやゴーストの処理がよく、嫌味のない柔らかな雰囲気を感じる写真が撮れる。写真全面の解像感があるのにも関わらず、なんとなく「懐かしい」雰囲気の写真になるのはライカブランドとしての伝統だ。
 一方、NOKTONシリーズに関しては、まるで「オールドレンズ」を使用しているかのような感覚になるほど開放値では甘い柔らかい描写になる。f0.95で極力撮るようにしていたこともあり、逆光時には派手なパープルフリンジが出現し、ヒトによっては嫌うかもしれない。これを「レンズの味」として受け入れる事ができるかがカギになる。f1.4程度まで絞り込むことで、かなり改善されるため、逆光時のパープルフリンジを嫌うヒトはf1.4から1.8辺りで使うのがいい。しかし、この絞り値で使うのなら、AFがしっかりと使え、光学性能が「今風」、そしてすぐれた「レンズコーティング」を採用しているLEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II ASPH.を使えばいいのでは……ということにもなりうるが…(笑)。NOKTONシリーズを使う意義はむしろ、絞り込んだ際の描写変化だろう。開放値だと甘いぼやけた雰囲気だが、少し絞り込むと全体的にしゃきっとした切れのある描写を見せる。
 マイクロフォーサーズのLUMIX Gシリーズの魅力は、こういった面白いレンズを織り交ぜることで、より撮りたい雰囲気を形にしてくれる。また、マイクロフォーサーズ規格のレンズは、フルサイズセンサーのレンズ群に比べてると、かなり安価。いくつものレンズを集める楽しみも……(笑)。

LUMIX G100は本格写真作品を撮りたいヒトの入門機

 LUMIX G100に搭載されている画像処理エンジン「ヴィーナス・エンジン」が作り出す画づくりは非常に素直で広がりのある色味だ。さらにRAWデータのダイナミックレンジも広いので、RAW現像時の味付けもしやすい。昨今では、RAW現像の需要が高く、人気インスタグラマーもほぼ使用している。少しクラシカルな雰囲気に味付けしたいというヒトにも、LUMIX G100のRAWデータの「できの良さ」は武器になるだろう。また重量は約303㌘しかないので超軽量。気構えることなく「日常的に使えるカメラ」として、普段からバッグにいれて持ち歩きたくなるカメラ。そして、ポートレートにおいても十分にその小型なボディーが物を言う。はっきり言おう。モデルからの警戒心をほぼゼロにすることができる(笑)。そのことで、より良い表情を引き出したり、近い距離感で撮影が可能になる。それは作品のバリエーションを広げてくれる。NOKTONシリーズはどのレンズも最短焦点距離が短いので、接写することでモデルの変わっていく表情を印象的に撮影。ここ一番の「写真」を撮影できる可能性が高まる。LUMIX G100とNOKTONの組み合わせは「玄人向け」かもしれないが、使いこなせればどこか昔の「フィルムカメラ」で撮影している感覚を味わえる使い込むのが楽しくなる入門カメラだ。もちろん、ステップアップとして色使いが近いフルサイズミラーレスカメラのLUMIX S5がある。自分らしい写真を突き詰めていけるのが、LUMIX G100の最大の魅力だ。



撮影・文/大貝篤史 モデル/佐藤ゆりこ

■LUMIX G100の製品情報■
https://panasonic.jp/dc/products/g_series/g100.html
■LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II ASPH.
https://panasonic.jp/dc/products/g_series_lens/leica_dg_summilux_25_ii.html

■佐藤ゆりこ(JAPAN GIRLS FACE)さんのその他の写真
http://orphotograph.com/jgf/2020/09/10/yurikosato/