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写真をカタチにする(ミニプリンター編)

約3分

デジタルカメラになってから、なかなかプリントする機会が減っている中、デジタルを「アナログ」にすることの重要性が若者にも広がり始めている。そんな中、なかなかA4サイズなど大きめの印刷をするメリットや意義などが感じづらい昨今、まず入門的に入りやすいのが、ミニプリンターだ。最大でもハガキサイズ程度の印刷が可能なものから、名刺サイズまでのプリンターまで幅広くリリースされている。

先行してアップした記事ではチェキを紹介したが、今回はキヤノンから発売しているSELPHY CPシリーズだ。このプリンターの特長は、プリント方式に「昇華型」という方式を使用している。これはインクを吹き付けるのではなく、インクを「ローラー」で押し付けていき、単色を重ねていくことで、色をつけている。耐光性や耐水性に優れ、色に関してもややビビットに出る傾向がある。用紙サイズに関しては、カード、L判、はがきサイズとバリエーションも多く、自分の用途に合わせて印刷可能だ。

写真をプリントするとどうしても「保管場所」に困ることがある。いざ、大きなサイズで印刷しても、壁に飾るのもそれなりに手間だし、そのスペースがない…なんて物理的な悩みを抱えるヒトもいるだろう。L判サイズ程度ならアルバムに入れて保管することもできるし、かわいいお気に入りのノートなどに貼り付けることだってできる。また、メッセージを添えて「記念日カード」のような使い方もできるだろう。実はなにげに使い勝手がとてもいいのがミニプリンターのいいところなのだ。筆者も気に入った写真はCPシリーズでプリントして、ポートフォリオのようにして保管している。

また、ミニプリンターは結構どれも安い。A4系プリンターもかなり低価格なものが多く、昨今では価格差はだいぶ少なくなっている(だいたい1万円前後)。しかし、A4系プリンターは複合機化しているため、便利は反面、かなり場所を取る。ミニプリンターなら収納できる大きさだし、使いたいときに出してくるというような使い方が可能だ。さらに、通常サイズのインクジェットプリンターと比べると、ヘッドの目詰まりなどもなく、以外に「コスパ」がいいのも見逃せない。著者は目詰まり解消のために新品インクを1セット使い果たした経験がある…。

デメリットは、用紙の種類が選べないことだろう。そのプリンター専用の用紙のみ使用のケースが多く、紙質などを選べないのでこだわりがあるヒトにはやや物足りないかもしれない。また、adobe RGBなど非対応だ。その点が気にならないならデジタルをアナログにするツールとしてはお手軽だ。

操作もそれほど難しくない。直接SDカードを指すことができるので、JPEG形式ならダイレクト印刷が可能だ。写真の配置に関しても、通常印刷、インデックス印刷など様々な形式で印刷ができる。また、フチあり、なしも選べるのがいい。手軽にデジカメで撮影した写真をプリントして写真ライフの新しい発見や遊び方を見つけてみてはどうだろうか。


文/大貝篤史

製品情報 キヤノン https://cweb.canon.jp/miniphotoprinter/