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SIGMA fp Lの逆襲

約4分

SIGMA fp Lの逆襲

With SIGMA fp L.

-Magazine-

名機としてマニアックな愛用者が多いのがシグマのfp Lだ。このカメラの情報はあまりにも少なく、どんなカメラなのか「謎」が多い。正直言って、初心者には本当に勧めてはいけないカメラで、ミドルクラス以上もしくは、変態なカメラが欲しい人にはドツボにハマるカメラだ。
筆者のカメラ構成は現在LUMIX、ライカが仕事で使うカメラで、作品撮りはニコンを使っていこうと思っている。「え!? シグマはないの?」と思った人はいるだろうが、今まではなかなかラインナップに入ってこなかった。

一番の理由はローリングシャッター現象だ。メカニカルシャッターがなく、電子シャッターのみのfp Lはちょっとしたモデルの動きでもローリングシャッター現象が出る。特に縦方向の揺れには弱く、砂浜で走るモデルを撮ろうものなら、そこそこの確実で「歪む」のだ。また、書き込みなどの速度が遅く、待機が長いので小気味な撮影は難しい。

SIGMA fp L + 50mm F1.2 DG DN | Art  風景写真のような静止しているものを撮影するには最適なfp L

そんな理由からなかなか出番がなかったのだが、最近その考え方が180度変わる。考えてみれば「あまり動かないしっかりした撮影ならいいんじゃない??」という一つの結論が浮かび上がる。ポートレート撮影において、モデルが小刻みに動くような撮影があれば、そうでない撮影もある。特に作品撮りの方向性として、止まってしっかりと撮るという作風をチャレンジしたいなら、なおさらだ。 SIGMA fp Lのセンサーは有効画素数約6100万画素のフルサイズセンサーだ。このセンサーは素性が非常によく、このカメラでないと表現できないと思うほどの解像感とその場の空気感をしっかりと掴む表現力がある。さらに、これだけの高画素モデルなのに、高感度耐性が異様に高い。これは他社の同程度のセンサーと比べても如実にわかるほどだ。

SIGMA fp L + 50mm F1.2 DG DN | Art

SIGMA fp L + 50mm F1.2 DG DN | Art  このレンズのボケ感は本当にいい。このレンズと同社のF1.4 Artの50mmのどちらでもいいとは思う

また、シグマといえば「レンズ」だ。同社のArtラインレンズは描写力や解像感などまさにトップクラスのレンズ性能で筆者も愛用している。開放値もF1.4などかなり明るいレンズが多く、ポートレート撮影にはもってこいだ。このレンズ群とSIGMA fp Lとの組み合わせなら空気感をしっかりと掴んだ作品が撮れるのではという「夢」が詰まっている。 SIGMA fp Lは、気軽に持ち出せる「中判級カメラ」という見方をすれば、これほど最高なカメラはないのではないか。

SIGMA fp L + 50mm F1.2 DG DN | Art ボディが軽いのはこういうシーンでは役立つ。そろそろ歳には勝てない年齢になってくるので、機材の軽量化は急務だ

SIGMA fp L + 50mm F1.2 DG DN | Art 光をしっかりと捉えることができればカメラは純粋にそれに答えてくれる。この解像感は作品撮りには欠かせない 

SIGMA fp L + 50mm F1.2 DG DN | Art

SIGMA fp L + 50mm F1.2 DG DN | Art

SIGMA fp L + 50mm F1.2 DG DN | Art  こういう雲海の立体感はこのカメラならではの描写力のおかげだろう

解像感や描写力を活かした撮影が筆者にできるかは不明だが、それを意識しながら撮影に挑むのとそうでないのでは、あからさまに結果が違う。2024年は本気でfp Lを使って作品づくりを行い、orphotographで披露したい……。と思っている。

□撮影/オーマイ □モデル/HARACHI

□製品ページ
SIGMA fp L  https://www.sigma-global.com/jp/cameras/fpl/
SIGMA 50mm F1.2 DG DN | Art https://www.sigma-global.com/jp/lenses/a024_50_12/