
OM SYSTEM PEN
SHOOTING REPORT
撮ることが楽しくなる
カメラの「原点」であり
写真機としての価値を感じるカメラ
-REPORT-
オリンパス時代から多くの写真愛好家や写真家から愛されていた「PEN」ブランド。その後PENの最終モデルは「E-P7」であったが、2021年6月発売から約5年の歳月を経て発売したのが今回のOM SYSTEM PENだ。
コンセプトは変わることなく「いつでも持ち出せる」カメラ。そして持ち出したくなるようなデザインと小型かつ軽量なボディが、撮る楽しみを「日常」にしてくれるカメラだ。今回のPENも約393g(SDカード、バッテリー含む)とかなり軽量なカメラで、レンズを装着しても少し重めなレンズ一体型カメラと比べてもストレスなく持ち出せる重さだ。センサーはマイクロフォーサーズセンサーを搭載。そのセンサーサイズを活かし、ボディサイズもかなり小型だ。またボディー自体の厚さがそれほどないため、視覚的にはかなり小さく見えた。それでいて最大5.5段分のボディー内5軸手ぶれ補正機能を搭載しているのだから驚きだ。筐体自体は強化プラスチックを採用しているようだが、IPX1の防塵・防滴性能を備える。さらにレンズ交換中にセンサー面にゴミが付着しても、強力な「ダストリダクションシステム」が搭載されているため、街中スナップから風景写真など外でのアクティブな使い方も十分考慮されている。「写真機に求められていること」をしっかりと備え付けてくるところが、OM SYSTEMのカメラのいいところだ。

撮ることが楽しくなる写真機としての品格
カメラとして重要なことは何か。それは、やはりシャッターフィーリングだ。写真機であるために、この部分にこそ「メーカー色やカメラ固有のアイデンティティ」が宿る。OM SYSTEM PENはとにかくシャッターを切ったときのフィーリングがいい。指に伝わるかすかな抵抗感、そして少しこもりながらも存在感を感じるシャッター音。とにかくシャッターボタンをずっと押していたくなる、そういうカメラだ。
さらに、E-P7では失われた「EVF」が復活。電子ファインダーが復活したことで、ファインダー越しで見る非日常的な景色を体感しやすくなり、写欲がさらに上がる。EVFの見え方も上々で、長時間覗いていても疲れはあまり感じなかった。約236万ドットだとメーカーカタログには記載があるが、もっと解像度があるように感じるほどコントラストがあり視認性は高い。筆者はメガネを掛けているが、特有の見づらさを感じることはなかった。
撮りたい瞬間に撮りたい方法で撮る。そんな瞬発力もありながら、ファインダー越しの世界をじっくりと楽しめる、まさに「ずっと持ち歩きたい」と思わせてくれるカメラだ。
スナップポートレートに最適なカメラ
実際にスナップポートレートをOM SYSTEM PENで撮影してみたが、かなり快適に撮影できた。当日はほぼ1日かけて撮影したのだが、ボディもレンズもフルサイズシステムに比べると、圧倒的に「小型かつ軽量」であるため、身体にかかる負担がとにかく少ない。カメラは常々「カメラシステム」としてのトータルバランスが重要だと思っている。レンズもM.ZUIKOレンズの単焦点レンズを3本カメラバッグにいれて持ち歩いていたが、撮影後の疲労感がまったく違った。スナップポートレートの場合には、モデルのケア用品などカメラとレンズ以外にもカメラバッグに詰め込んでいるケースが多く、そういったケア用品を同時に持ち出しても、疲労感が少ない分、撮影に集中できる。

OM SYSTEM PEN + M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO・1/12800秒・f1.2・ISO200

OM SYSTEM PEN + M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO・1/8000秒・f1.2・ISO200
今回持ち出した単焦点レンズはどれも「F1.2」のPROシリーズだったこともあり、撮影した写真には立体感を感じ、機動性を活かせた写真作品になっている。ボケ感を味わえるポートレート写真を十分に楽しめると感じた。 ボディー内手ぶれ補正機能とF1.2という驚異的に明るいレンズは夕方などの暗所撮影でも十分に発揮される。マイクロフォーサーズセンサーなのでフルサイズセンサーカメラに比べると「高感度ノイズ」はやはり気になるところ。だが、OM SYSTEM PENであれば、ISO1600程度に抑えて撮影しても、明るいレンズ+強力なボディー内手ぶれ補正機能のおかげで、被写体ぶれさえ気をつければ、低速シャッターだったとしても十分に撮影可能だった。撮り方を選ばせてくれるカメラは、自分の撮影スキルの「引き出し」も増やしてくれる。朝から晩までスナップポートレートを楽しめる最高の1台だ。

OM SYSTEM PEN + M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO・1/200秒・f1.2・ISO1250

OM SYSTEM PEN + M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO・1/80秒・f1.2・ISO1600
ポートレート撮影で、唯一残念だった点はメカニカルシャッタースピードが1/4000秒の対応であること。日中にせっかくのF1.2という明るいレンズを使用しようとすると、NDフィルターなどを装着しないと白飛びしてしまうシーンが増える。OM-3は1/8000秒が使えるので、さらに高速な物理シャッターを使用したい人はOM-3を購入するのもありだ。
ただこれにも「裏技」があり、ドライブモードを「静音撮影」にすることで、電子シャッターに切り替わり、最大で1/32000秒で撮影ができる。どうしてもNDフィルターを付けたくない、持っていない場合には静音撮影に切り替えることで、開放値を使ったポートレート撮影が可能になる。(でも静音撮影なのでシャッター音がならないので撮影体験として若干スポイルする人もいるだろう)

OM SYSTEM PEN + M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO・1/3200秒・f1.2・ISO200
写真を「作品」に引き上げてくれる機能がいい
今回の撮影でも使用したのが「カラープロファイル」機能だ。ボディー側に付いている「プロファイルコントロールスイッチ」で切り替えが可能。好みの色合いで撮影するためにあらかじめ、色相や色調を調整できる機能だ。またさらにハイライトおよびシャドウ部の調整、シャープネス、コントラストの調整などが可能で、当日の撮影環境に合わせて微調整をしたり、自身の作品の方向性を実現したプリセットをあらかじめ登録しておくことが可能だ。筆者はこの機能で彩度や色調をコントロールし、それをAdobe Photoshop Lightroomで追い込んで現像している。撮影現場である程度自分のイメージに合った撮影が行えることで、より作品の精度と密度が上がるのは間違いない。自分の世界観を表現したい昨今のSNS系フォトグラファーにはもってこいの機能だろう。
今回の撮影では使用しなかったが、従来通りの「アートフィルター」機能なども搭載されているので、自分らしい一枚を求めたい人にはおすすめの機能だ。

OM SYSTEM PEN + M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO・1/2000秒・f1.2・ISO200

OM SYSTEM PEN + M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO・1/12800秒・f1.2・ISO200
思わず欲しくなるトータルバランスの良さがマル
OM SYSTEM PENは実にバランスの取れたカメラだ。上位モデルに比べて「基本性能」はそれほど劣ることはなく、絶対に譲れない使い勝手はきちんと確保されている。要は「写真機」としての性能が妥協することなく備わっているが、過剰で全員が使わないだろう機能は制限している。そしてそれがしっかりと「価格」に転嫁されている。これこそバランスが取れたカメラではないだろうか。ビギナーにもハイアマチュアにもオススメでき、どのユーザー層でも長く愛用してもらえるポテンシャルを秘めたカメラ、それがOM SYSTEM PENだ。

OM SYSTEM PEN + M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO・1/5000秒・f1.2・ISO200

OM SYSTEM PEN + M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO・1/3200秒・f1.2・ISO200
▢文・写真/AO ▢モデル/Makino ▢機材協力/OM SYSTEM
▢製品情報 OM SYSTEM PEN
https://jp.omsystem.com/product/dslr/pen/pen/index.html
