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「暗部の階調感の向上や点光源の描写がとてもいい」

日頃からさまざまな都市夜景を撮影し続ける写真家の藤村大介さん。
広角レンズから望遠レンズまでたくみに使いこなし、
東京・横浜の夜景を撮影。LUMIX S5IIの進化の魅力を語ってくれた。

LUMIX S5を普段から使用している写真家の藤村大介さん。都市夜景などを中心に作品づくりをおこなっている。藤村さんがLUMIX S5IIを使用し、その底上げされた基礎体力の高さを感じることができたという。

「像面位相差AFを追加で導入した新AFシステムの恩恵は感じました。都市夜景撮影の場合は点光源が多いため、オートフォーカスを使用します。コントラストがはっきりしているシーンではLUMIX S5でも十分だったのですが、コントラストが弱い軟調なシーンではLUMIX S5IIの方が合焦率が上がります。精度に関しても進化を感じます。高い精度で合うので、夜景らしいしっかりとした点光源を撮影することができます。

LUMIX S5II + LUMIX S PRO 70-200mm F2.8 O.I.S.・30秒・f11・ISO100

高感度耐性についてもワンランクアップしているイメージです。ISO3200などでの撮影においてもノイズが少なく、ほとんど出ません。さらにボディー内手ぶれ補正機構に関してもしっかり効いており、1/4秒でも手ブレをすることなく撮影できます。夜景撮影は通常三脚を立てて撮影するケースが多いですが、三脚を立てることができない場所での撮影には、非常に頼もしいカメラですね」

LUMIX S5II + LUMIX S 14-28mm F4-5.6 MACRO・1/4秒・f5・ISO3200

そう話してくれた藤村さん。さらにその魅力は非常に柔軟に対応できる「色表現能力」を備えていることだという。

「LUMIX Sシリーズはもともと『色表現』に関しては非常に高いレベルにあります。LUMIX S1R、LUMIX S5でもそれを感じることができました。LUMIX S5IIに関しては、新型ヴィーナスエンジンを搭載したことで、さらに階調感のある立体感を感じる画づくりです。ダイナミックレンジが広くなっていることで、点光源や暗部の細かい階調感もしっかりと描けています。平面的になりやすい都市夜景がより立体的になることで、また違う魅力がプラスアルファーされている感じです。

LUMIX S5II + LUMIX S 14-28mm F4-5.6 MACRO・60秒・f18・ISO100

また、ボディー機能に搭載されている『フォトスタイル』のパラメーターを変更することで、自分好みの表現が可能になるのですが、富士フイルムのフィルム「ベルビア」をイメージしてプリセットを1つ作っています。他にも独創的なフォトスタイルがあるので、自分好みのプリセットを見つけ、イメージ通りの写真が撮れるようにすることができます。そういう楽しみ方がLUMIX S5IIにはありますね」

LUMIX S5II + LUMIX S PRO 70-200mm F2.8 O.I.S.・1/640秒・f10・ISO100

レンズに関しても純正レンズの魅力を語ってくれた。

「LUMIX Sレンズはどのレンズも光学性能が高いものが多いです。特にPROシリーズの光学性能は抜群ですね。僕はLUMIX S PRO 16-35mm F4を使って夜景撮影を行うことが多いですが、絞り込んだ時の光芒が非常に綺麗で作品の完成度を高めてくれます。最近発表された(2023年1月5日発表)LUMIX S 14-28mm F4-5.6 MACROも使いましたが、ワイド端が14mmと少しワイドに使えるので、夜景撮影に向いています。PROシリーズではないですが、このレンズも解像感の高いレンズで、開放から使えます。夜景撮影に最適なレンズがたくさんリリースされると、LUMIX S5IIの使いどころも増えますね」

LUMIX S5II + LUMIX S PRO 18-35mm F4・60秒・f20・ISO100

LUMIX S5II + LUMIX S PRO 24-70mm F2.8・25秒・f22・ISO160

まだまだ空気の澄んでいる季節の今が、夜景撮影にトライするいいタイミングかもしれない。LUMIX S5IIと広角系ズームレンズで夜景を楽しんでみては。

文/大貝篤史  撮影/藤村大介