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写真家・山岸伸が捉えた「KAO」とは?

約3分

©️山岸伸   笑福亭鶴瓶

撮り続けることの大切を教えてくれる

数々のグラビア写真集や加茂別雷神社(上賀茂神社)、そしてライフワークでもある帯広市のばんえい競馬の撮影など多岐にわたる分野に挑戦し続ける写真家・山岸伸氏。そんな山岸氏が16年間にわたって撮り続けているのが各界のレジェンドたちの「KAO」だ。政治家から著名俳優までそれぞれの分野で頂点を極めていく人たちの顔。それは我々では日頃なかなかお目にかかれない瞬間だ。すでに累計では1000人を超えており、これだけの撮影を行うことがいかに大変かは想像つくだろう。

筆者も写真展会場に過去何度も足を運んだが、何かを成し遂げた人が見せるちょっとした表情をしっかりと撮り下ろした写真は、思わず息を飲む。写真から感じる躍動感、被写体からのメッセージ。自信げにカメラをじっと見つめる表情があれば、優しげな目でレンズを覗く顔……。この会場でしか味わえない独特の空気感がそこにはある。だからこそ、また足を運んでみたくなる。そういう写真展は少ないし、これほどまでに長く続く写真展はそうない。

©️山岸伸   高田純次

今も帝国ホテル東京で開催中の「帝国ホテルの記憶」(〜2024年3月31日)など人物撮影以外にも様々な作品を残し続ける。人物であろうと、建造物であろうと、山岸氏の目線の先にある、脈々と受け継がれる「魂」のようなものを瞬間的に切り取り、それが写真となって具現化しているのではないか。自身が命懸けで撮ることが、そもそものリスペクトであり、その想いが、被写体に伝わる。これこそ山岸氏にしか撮れない写真なのだろう。

山岸氏いわく「カメラマンとしては、ちょうど曲がり角に今来ているんだと思う。だからこそ新しく生まれかわった『KAO』を多くの人に見てほしいと思っています。会場でみなさんを撮れる機会も設けることができればと思っています。是非、足を運んでほしいですね」

そう語る山岸氏の「KAO」は昔から変わっていない。まっすぐに貪欲に、そして実直にカメラを握ることで、自分の想いを具現化していくのだ。会期はそれほど長くないので、是非見逃すことなく、会場に足を運んでほしい。


■写真展情報■
「KAO-日本の顔scene1019-1071-」
期間:2023年6月12日〜6月24日
   月・火・木・土・日 10-17時(最終入館時間)
   水・金のみ     10-18時(最終入館時間)※最終日は15時までとなります

会場:株式会社オカムラ オカムラ ガーデンコートショールーム内
   https://www.okamura.co.jp/company/specialsite/event/kao/