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シグマ、Iシリーズに新レンズを2本発表

約3分

シグマは、すでに展開中のレンズラインナップ「Iシリーズ」に24mm F2 DG DN | Contemporary および90mm F2.8 DG DN | Contemporaryを追加した。両レンズともにコンセプトはIシリーズで定評のあった「ビルドクオリティーの高さ」「オールドレンズのような描写」「コンパクト」をもとに今までのラインナップにない焦点距離やF値を埋める形だ。

■SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary

24mmという焦点距離はすでにSIGMA 24mm F3.5 DG DN | ContemporaryがIシリーズ内に存在している。このレンズよりもF値が明るいことで、星景・夜景撮影などにも積極的に使用でき、使用用途が広がる。開放値がf2なので、それなりに寄れば背景は非常によくボケる。ポートレート撮影などにも応用できそうだ。風景からスナップ、ポートレートなど幅広いジャンルで活躍できるマルチ単焦点レンズだ。
筐体はIシリーズらしく、金属素材でできているため高級感がある。昨今のミラーレスカメラの「小型化」に対応するべく、全長は72mm、重さは約365gとかなり軽量に作られている。この小ささでフルサイズ対応のf2レンズというから驚きだ。

■SIGMA 90mm F2.8 DG DN | Contemporary

Iシリーズでは初めての中望遠域の単焦点レンズ。開放値はf2.8と比較的明るめであることから、積極的にポートレート撮影に使えそうだ。このレンズのもう一つの特長として、近接性能の高さがある。最短撮影距離が約50cmと非常に寄れるので、昆虫や花などの近接撮影が可能だ。また、SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary同様に筐体は金属質で高級感のあるデザイン。さらに90mmとは思えないほどのコンパクトサイズなのだ。

Iシリーズは「所有欲」がわくレンズでありながら、撮影者にどこか「期待」をさせてくれるレンズだ。著者もIシリーズを使用しているが「このレンズならきっとすごい写真が撮れる」と思わせてくれる。これはユーザー目線で見ると非常に重要なことで、そう思うからこそ持ち出す頻度が増えるものだ。

f1.4などの明るいレンズは「Art」シリーズを購入し、気軽なお散歩カメラにはIシリーズのレンズを装着して出かける……。そんな贅沢なカメラライフを存分に味わえる。20、30代にとってカメラは「ファッション」の一部である。Iシリーズはそんなユーザーの心を虜にするレンズラインナップであるし、これからもそうなるだろう。それでもやはりさすがのシグマ。見た目だけではなく、レンズの性能をしっかりと追い求め、デジタルカメラだからこそできることとはなにか……。そういう問いかけを生産者側として提案し続けているのがわかる。60周年を迎えた企業の姿勢と答えが詰まったレンズだ。

文/大貝篤史