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ポートレイト専科2026」が約10年ぶりに復活

【伝説の公募展が10年ぶりに復活】「ポートレイト専科2026」開催決定!
第一線で活躍する審査員陣と、被写体の権利を守る新たなステージへ

2006年から2015年にかけて、東京・渋谷の「ギャラリー・ルデコ」で開催していたポートレイト写真展「ポートレイト専科」。約10年という長い休止期間を経て、ついに今年、渋谷の地に再度帰ってくる。

株式会社Style Agentおよび株式会社ファントミーの主催により、2026年11月16日(月)より「ポートレイト専科2026」が渋谷モディB1F特設会場にて開催。出展作品の公募は9月10日(木)からスタートし、10月16日(金)まで受け付けが行われる。

かつてポートレイト写真界に大きな旋風を巻き起こし、数多くの写真家やクリエイターたちの登竜門となった「ポートレイト専科」。今回の復活は、単なる懐古的なイベントの再開にとどまらず、令和の写真カルチャーにふさわしい「権利保護」や「多様性の担保」といった新たな仕組みを備えた、進化形の写真展だ。

 渋谷・ルデコを沸かせた「ポートレイト専科」の足跡と熱狂

写真家・魚住誠一氏が主宰となり、2006年にスタートした「ポートレイト専科」。当時の日本の写真界において、ポートレイト(人物写真)に特化した大規模な公募展は非常に珍しいものだった。

渋谷の「ギャラリー・ルデコ」を全館ジャックして開催された会期中には、写真家を目指す若者から、週末にモデルを撮影するアマチュアカメラマン、そして作品の被写体となったモデルやファンまで、連日多くの人々が押し寄せた。狭い階段を埋め尽くす長蛇の列、熱気に満ちた会場内での批評会やトークショーなどなど。それらはまさに「ポートレイト写真のカルチャーの最前線」そのものだった。

ポートレイト専科が提示した最も大きな価値は、「プロ・アマチュアの垣根を越えたフラットな真剣勝負」にあった。高価な機材を持っているか、高名な肩書きがあるかは一切関係ない。目の前の「1枚の写真」が持つ圧倒的な熱量と強度だけで評価される空間は、当時のカメラファンにとって何物にも代えがたい挑戦の場だったにちがいない。

しかし、2015年を最後に惜しまれつつも幕を閉じたポートレイト専科。その精神とコミュニティは今も多くの写真家の記憶に深く刻まれている。

最前線の写真家たちが「1枚の写真のチカラ」を審査

10年ぶりに始動する「ポートレイト専科2026」の審査員陣には、写真界の最前線を走り続ける豪華な5名が名を連ねる。

  • 藤原新也(ふじわら・しんや):『インド放浪』をはじめ、写真・文筆・絵画など境界を越えて活躍する作家(2026年度日本芸術院賞受賞)。
  • 宮澤正明(みやざわ・まさあき):伊勢神宮式年遷宮の公式記録写真家であり、映画監督や日本大学芸術学部特任教授としても知られる写真家。
  • ZIGEN(ジゲン):ピーター・リンドバーグ氏に師事し、パリ・ミラノのファッション誌で活躍してきた写真家。
  • 野村佐紀子(のむら・さきこ):荒木経惟氏に師事し、男たちの裸体や陰影豊かな作品で国内外から高い評価を得る写真家。
  • 魚住誠一(うおずみ・せいいち):本展の主宰であり、数々の雑誌・広告・写真集を手掛けてきたポートレイト界の第一人者。

審査においては、プロやアマチュアといった区分けは一切排除される。肩書きや実績ではなく、「その写真が一枚でどれだけのストーリーと強度を語れているか」のみで入選作が選出される。自身の作品がこの巨匠たちの目にどう映るのか、応募者にとっては自身の限界に挑む絶好の機会となるはずだ。

「撮る人」と「撮られる人」を守る、次世代の写真展スタイル

今回のポートレイト専科2026において、最も先進的とも言える取り組みが「肖像権・著作権などの権利保護の仕組み化」だ。

SNSの普及に伴い、人物撮影における「被写体の同意」や「作品の二次利用・許諾」を巡るトラブルは近年社会問題化している。これまで個人の判断に委ねられがちだったこの曖昧な領域に対して、ポートレイト専科は正面から向き合う姿勢を示す。

  1. 契約書雛形の無料公開
    モデル同意書、作品使用許諾書、権利確認チェックリストといった各種契約書の標準フォーマットを、応募の有無を問わず公式サイト上で無償公開。誰でも自由に利用できるオープンな仕組みを構築。
  2. 著作権啓発ブースの設置
    展覧会場内に著作権・肖像権に関する啓発ブースを常設し、啓発カタログの無料配布を実施。見る側・撮る側の双方に正しい知識を提供。
  3. 生成AI学習への非利用を明記
    応募された作品データについて、生成AIの学習データとしての利用や第三者提供を行わない旨を利用規約に明記。出展者の権利と作品価値を徹底して守る方針を打ち出している。

写真文化を持続可能で健全なものとして次世代へ紡いでいくための制度設計は、今後の写真展の新たなスタンダードとなりうる可能性を感じる。

渋谷モディ×ルデコ。性格の異なる3つの展覧会

今回のポートレイト専科2026は、会場を従来の渋谷ルデコだけでなく「渋谷モディ」へと拡大し、3つの異なる性格を持つ展覧会として開催予定。

展覧会名称会期会場特徴
ポートレイト専科2026(入選作品展)2026年11月16日(月)~22日(日)渋谷モディ B1F 特設会場審査員により厳選された入選作を展示。魚住誠一氏がA3サイズにプリント・額装を担当。
ポートレイト専科ルデコ20262026年11月16日(月)~22日(日)渋谷ギャラリー・ルデコ B1F入選の有無にかかわらず、希望するすべての応募者が出展できるオープン展示。
ポートレイト専科Classic 20262026年11月23日(月)~29日(日)渋谷ギャラリー・ルデコ B1F過去(2006~2015年)のポートレイト専科に出展したクリエイターたちによる特別展。

また、会期中にはギャラリー・ルデコにおいて撮影会やカメラ体験、撮影講座、写真販売といった多彩な関連イベントも開催予定とのことだ。

募集要項・概要

  • 応募期間:2026年9月10日(木)~ 10月16日(金)
  • 応募資格:プロ・アマチュア問わず誰でも応募可能
  • 応募部門:人物写真部門 / AI画像部門
  • 応募点数:1エントリーにつき3点以内(1点から可)
  • 参加費:29歳以下 1,000円(税込) / 30歳以上 3,000円(税込)
  • 応募方法:公式サイト(https://posen.jp)よりオンライン受付
    ※全応募作品は公式サイト内のオンラインギャラリーに掲載予定

新しく生まれ変わった「ポートレイト専科」への期待

かつて渋谷の小さなギャラリーから始まり、熱気とともに写真好きの心を揺さぶり続けた「ポートレイト専科」。約10年という歳月を経て復活を遂げる取り組みは、当時の泥臭くも熱かった写真情熱を引き継ぎながら、現代の写真シーンが抱える課題(権利問題やAIとの共生)に対して一定の解答になる可能性がある。

SNSで手軽に写真が消費される時代だからこそ、プリントされた「1枚の写真」の持つ圧倒的な力、そして「人と人が向き合って撮影する」というポートレイト本来の面白さを再確認できる場になることは間違いないだろう。

往年のファンはもちろん、当時の熱狂を知らない20代の若い世代の写真家たちにとっても、自身の表現を世に問う大きなチャンスとなる。新生「ポートレイト専科2026」が、これからの日本のポートレイトカルチャーにどんな新しい風を吹き込んでくれるのか。11月の開催が楽しみだ。

■写真提供/魚住誠一

■ポートレイト専科2026 https://posen.jp/

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orphotograph編集チーム
記事を書いたりしているスタッフ&カメラマン。
カメラは幼少時代から握り、ここ数年のほぼすべてのメーカーのデジタルカメラを触っている強者。
主にポートレート分野で作品撮りをするかたわらorphotographのレビュー系記事を担当。口癖は「レンズほしい」。
最近の趣味はバイクでツーリングすること。