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青山にクリエイティブ発進の拠点が現る! | LUMIX BASE TOKYO

約6分
LUMIX BASE TOKYOのスペース写真

動画撮影のワークフローを間近で味わえる新感覚ショールーム

 2021年5月30日からパナソニックのカメラブランド「LUMIX」の新拠点「LUMIX BASE TOKYO」が渋谷の青山にオープンする。前日にプレオープンがあり、招待してもらったので訪れた。最寄り駅は銀座線の外苑前駅か青山一丁目駅のどちらかを利用し、徒歩約3分程度だ。駅に到着してトボトボ歩いていると、アツアツカップルやら爆音のスポーツカーの暴走やら、なんとなく「一波乱」の予感……(笑)。駅からかなり近いので、電車でのアクセスは非常にしやすい。クルマを所有している人が少ない若い世代には高ポイントな環境だ。
 ショールームの広さは前回の銀座よりも広いということと、通りに面している側面がガラス張りになっているので、明るく開放感がある。インテリア・デザインもシンプルで、無機質なイメージだ。内装のデザインは、LUMIXのプロダクトデザインを担当している武松大介シニアデザイナーが担当。天井の斜めの蛍光灯もなんとなくおしゃれで、新しいターゲット層を意識していると強く感じた。

 このショールームの最大のポイントは「体験型」であるということだ。今までのカメラ系ショールームというと、ボディーとレンズが陳列されていて、手にとって触ることができるというケースが多い。その点に関してはLUMIX BASE TOKYOも同様なのだが、より使い方がイメージしやすいようにと、動画撮影時に必要なジンバルやマイク、モニター、スライダーなどのサポート機材も一緒に並んであり、実際にLUMIXシリーズを使って試せる。自社のオプションだけではなく、DJIなど他社製品も同時に置いていることで、よりリアルな動画撮影の現場をイメージすることができ、使い勝手などを正確に試しながら機材を選ぶことができる。筆者がそうだが、LUMIXのカメラと他社製品の相性をなかなか同時に試すことができないため、ネットの書き込みや有識者のサイト情報、YouTubeを参考にして購入している。しかし、その情報をあまり鵜呑みにすると実際はうまく使えないケースなどもあり失敗することがある。おかげでジンバルは5本ぐらい仕事場に転がっている……(笑)。LUMIXシリーズを使うにあたって、正確な情報を自分の目と手で確認できるのは、ここに足を運ぶに十分な理由だ。

天井もそうだがかなり無機質な雰囲気で、基地を感じさせ、なんとなく男心をくすぐる
動画配信に必要な機材を実践型で体験できる
外部マイクやジンバル、モニターや三脚、照明など動画撮影に必要な機材の展示があり、見どころは多い

失敗しないための“杖”のような存在

 入り口から入ってすぐ右側には、クリエイター向けのスペックを有したデスクトップおよびノートパソコンが置かれており、アドビ社のPremiere ProやPhotoshop系ソフトなどクリエイターお馴染みのソフトがすでにインストールされている。自分が行いたいクリエイティブ活動に、どの程度のスペックのPC環境が必要になるのか、またどの程度快適に作業ができるのかを予め体験できることで、自身の制作環境を構築しやすい。そして、奥には動画配信を体験できるブースがあり、実際にここでYoutube配信を行うことが可能だ。また、理想的な簡易スタジオを自宅で組んで、これからYouTubeなどを本格的に始めたい人にとっても「お手本」になるような機材が導入されている。もちろん動画だけではなく、物撮りや人物撮影を体験できるスペースも用意。LUMIXシリーズの写真機としての性能を思う存分味わえるだろう。

たまたま居合わせた写真家の五十嵐先生をモデルに……笑
かなり本格的な配信機材が揃っている
スチル用のブースも展開中。おいおいは人物撮影にも対応予定だという
動画配信体験コーナーではこんな感じ

 さらに奥に進むと、プロサポート「LUMIX PRO SERVICES」がある。センサー清掃は即日で対応。時間のかかる修理などには、代替機の用意もしてくれるそう。さらに地方在住者向けには宅配サービスも行うことも検討されている。仕事の道具としてカメラを使っているプロにとっては、プロサポートのサービス内容が肝になってくる。今後LUMIXシリーズを仕事道具として使っていくカメラマンは増えていくかもしれない。

プロ会員になるともらえるストラップや会員カードが展示されていた

クリエイティブという広い定義が新しい価値観を与える

 LUMIX BASE TOKYOを訪れて感じたのは、LUMIXの今後の「方針」だ。このスペースのコンセプトにもなっているが、写真と動画を対比し、別物として扱うのではなく、写真も動画も「クリエイティブ」なものであると認識し、どちらもしっかりとサポートしていきたいという考え方だ。言われてみれば、どちらもクリエイティブな活動であることには間違いない。ミラーレスカメラは日々進化を重ね、今や写真機としての側面だけではなく、動画コンテンツを本格的に作り込める「ムービー機」としての側面も持っている。そうした時代の流れにいち早く対応するべく、ショールームのあり方を大きく変えた。そうしたメーカーの姿勢が新しいクリエイティブ文化を支えていくことを望むし、それに呼応してクリエイターもどんどん作品を発表してほしい。そうすることが、写真と動画というコンテンツを日本において絶やさないことに繋がえるのではないだろうか。

 LUMIX BASE TOKYOでは、今後もどんどんクリエイターを招いたオンラインイベントや体験セミナーなどを実施する予定だそうだ。どんなイベントが行われるのか非常に楽しみだ。

編集系のソフトがインストールされた高性能パソコン。編集環境を事前に確認できるのはありがたい
自分のパソコンや機材を使うこともできる

■LUMIX BASE TOKYO■
住所:東京都港区南青山2丁目11-17 第一法規ビル1階
営業時間:11〜19時
定休日:月曜日および年末年始



撮影・文/大貝篤史

●LUMIX BASE TOKYO
https://lumix-base.jpn.panasonic.com/
●LUMIX S5
https://panasonic.jp/dc/products/s_series/s5.html
●LUMIX GH5 MarkⅡ
https://panasonic.jp/dc/products/g_series/gh5m2.html
●LUMIX G100
https://orphotograph.com/2021/02/21/lumix-g100-shooting-report/