orphotograph

写真の今がわかるWeb情報マガジン

写真をカタチにする(チェキワイド編)

, …
約4分

味気ないデジタルを味のあるアナログに

スマートフォンで写真を見る機会が多くなっている昨今、少し物足りたいと思ったことはないだろうか…。筆者も漏れずに写真の発表の場が「Instagram」になっており、プリントアウトして人に見せる機会が減っている。それならばと思い、自宅でホコリを被っていたインクジェットプリンターの電源を久々に入れたら、ヘッドの根詰まりでアウト。30回ほどヘッドクリーニングを行ったが、根詰まりが解消されず、粗大ごみと変わった。もっと気軽にプリントアウトして飾りたい!という欲望を胸に、今回試みたのは富士フイルムから発売されている「instax LINK WIDE」だ。

このスマートフォン用プリンターは従来からリリースされていた「instax mini Link」「instax SHARE SP-3」に加わったプリンター。チェキ用フィルムの「instax WIDE」を使用したプリンターでL判相当の大きさのプリントが可能だ。実は筆者はすべて3台ともに持っているのだが、このプリンターが発売されるまで「どうしてWIDEが出ないのか」と思っていた。チェキのminiとsquare はやはり小さすぎてプリント後の迫力に欠ける。WIDEならL判相当の大きさがあるため、十分に満足できる大きさなのだ。

電源は内蔵バッテリーを搭載。USBケーブルで充電する(左) 電源をONにするのはセンターにある「instax」ボタンを押す(右)

instax LINK WIDEを使用するには、専用のスマフォアプリをダウンロードしてインストールする必要がある。インストール後にはガイダンスに従って、スマフォとプリンターをWifiで接続し使用する。接続はそれほど難しくないので冷静にやればすぐに使えるようになるだろう。一度設定させてしまえば、次回以降電源を入れると自動で認識されるので毎回セットアップする必要はない。

筆者の場合には、デジタルカメラで撮影したデータやフィルムカメラで現像に出し、ネガをスキャンしたデータをこのプリンターでプリントするなど使い方は毎回異なる。フィルムカメラはカメラのキタムラのような現像を行ってくれるところに持っていけば、そもそもプリントを選択できるため、紙で出力したければそうすればいい。デジタルカメラで撮影したデータをチェキにプリントするとどことなく「にじみ」が生まれ、懐かしい雰囲気に仕上がる。アナログらしい「優しさ」が生まれ、所有欲や保存しておきたいという気持ちが湧いてくるのだ。

インストールが完了すると赤丸内のようなアイコンが出てくる

アプリを立ち上げ設定が完了すると上記のようなトップ画面が出てくる。レイアウトなども複数あり若い世代でも十分に楽しめるだろう

レイアウトを選んだあと、スマフォ内の写真のサムネイルからプリントしたい写真を選ぶだけ

instax LINK WIDEなら、友人や家族との思い出を「カタチ」にすることができ、その写真一枚にどこか特別なものを付加させることができる。デジタル化したことで、物理的に存在しないものになってしまい、どこか味気ないものになってしまった。その思いを払拭してくれるのが、まさにこのプリンターなのだ。スマフォアプリ「Link WIDE」には様々なレイアウトのテンプレートが用意されているので、自分の用途に合わせてプリントが気軽にできる。友人へのプレゼント、誕生日などのお祝い事の記念にするなど使い方は無限大なのだ。

また、instax LINK WIDEはインクジェット方式を採用しているわけでない。よってプリントにインクが必要なわけではないし、根詰まりも起こさない。プリントしたいときに電源を入れ、チェキカートリッジを入れればいいのだ(1カートリッジに10枚のチェキが入っている)。大切な思い出をカメラで撮り、是非カタチにしてみてはいかがだろうか。

パキっとしがちの最新デジタルカメラで撮影された写真もチェキでプリントすれば、柔らかな雰囲気になる


文・撮影/大貝篤史


■製品メーカーサイト 富士フイルム
https://instax.jp/