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河野英喜さん主催のポートレート撮影会レポート記

約4分

初心者でも安心して参加できる内容なのがいい

10/9に東京都の昭和記念公園にてポートレート写真家の河野英喜さんが主催の撮影会が開催。午前の部、午後の部ともに満員御礼で開催された。無料ということもあり、たくさんの方がお申し込みされたようで、かなりの盛況だった。後援協賛としてカメラメーカーのニコンイメージングジャパンがバックアップ。当日はニコンの最新機種と話題のレンズが無料でレンタルでき、その場で試すことが可能だった。これはかなり大きな特典に感じた。そもそもカメラは高額なのできちんと試してから購入したいものだ。現場で実際に試して購入できるため、ミスマッチな買い物が減るは嬉しい(笑)。著者もあるのだが、購入してから実際に現場に持っていてから「うーーーん、違うなー」と思い、残念な思いをしたものだ。こういう機会に試せば、このような「ミス」はだいぶ減る。

午前の部は、意欲満点な大学生が参加。いつも見ている光景よりも若々しい感じの雰囲気がとても良かった。大学生に話を聞くと、ほとんどの人がポートレート撮影は初めての初心者ばかり。ニコンの高性能単焦点レンズを手にした女子大生は「こんなにボケるとは思わなかった。自分が持っているレンズは暗いのでこれほどボケない。ほしいです!!」とシャッターを切るのが楽しかったと話す。4班に分かれての撮影タイムだったので、思いの外撮影できる時間はあった。初心者ばかりだからこそむしろ時間を持て余すようなシーンがあるほどだ。しっかりとロケハンを行い、自分のイメージにあった場所で撮影するというまさに「本格的」な指導だった。モデルもとても明るい振る舞いで著者もウズウズするシーンも……(笑)。

初心者でも慌てることなくゆっくりと撮影に没頭できる環境はまさに「天国」。それでいて、時間はしっかり決まっているので、時間内にリズムよく撮影することを学ぶことができる。また、自分が撮影していない空き時間は同じグループの撮影者のために、レフ板を当てることを行う。河野さんいわく「撮影者が意図する場所に光をいかに当てていくかということができるようになると、いざ自分の番でも的確に光を読むことができるんですよ」とその重要性についても話してくれた。

午後の部は、一般の参加者が中心の撮影会。初心者からオーラが出ている猛者どもまで幅広い写真愛好家が参加し賑わっていた。モデルは4名と比較的多いのでグループに分かれて思い思いの場所で撮影。さすがはベテランのヒトが多く、指示も的確で思わず唸るシーンもあった。カメラは各自が持ってきたもの以外にも、ニコンのZシリーズを使用することができたので、その違いなどを楽しんでいるヒトがいた。違うメーカーのカメラを使うことで、自分のカメラの良し悪しが再認識できるため、率先して使っているヒトがいた。ポートレートの楽しさはカメラやレンズの違いで、雰囲気が大きく変わるところだし、森などのシーンでは肌に被るグリーンをどう処理するのかなど、そのカメラに合わせた色の攻略方法が違ったりする。そういう経験は後々スキルアップに繋がったりするので面白い。

今回のようなポートレート撮影会に参加することで学べることはとても多い。河野さんが主催していることもあり、参加者のひとりは「もっとオタクっぽいのかなと思っていましたが、そんなこともなく参加者の方々も気さくでとてもおもしろかったです。また出たい」と話していた。せっかくのカメラなので、フルに使いこなす場として参加するのもありだろう。

文/大貝篤史