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Nikon NIKKOR Z 17-28mm f/2.8 SHOOTING REPORT

約4分
NIKKOR Z 17-28mm f/2.8

2022年10月に発売されたニコンZマウントレンズ「NIKKOR Z 17-28mm f/2.8」はフルサイズ使用で17-28mm、APS-C(DX)サイズでの使用で約25-42mmで使用できる。通しでf2.8という明るめな開放値なため、程よいボケ感を味わうことが可能。さらに明るいレンズなので夜間時の撮影にも向いた、まさに万能ズームレンズだ。 また超広角な焦点距離でありながらも、全長が約101mm、重量が約450gととても携行しやすいサイズ感がいい。山に入り込んでの過酷な風景撮影や、街中を長時間歩きながら撮影するスナップ撮影まで、その機動力を生かした撮影ができる。最短撮影距離もワイド側で約0.19mまで接写することが可能。花などにダイナミックに寄りながらも超広角を生かしたワイド感のある写真を撮ることができる。筆者は超広角域に関しては、単焦点レンズよりもズームレンズを愛用している。理由は超広角域の単焦点レンズはどうしても大型で重量のあるケースが多いからだ。それを焦点距離ごとに持ち出すのは、かなり体力的に厳しい。もととも標準域、中望遠域は単焦点レンズを好んで選んでいるため、なおさらだ。NIKKOR Z 17-28mm f/2.8のようなちょうどいい焦点距離がカバーされたズームレンズはとても重宝するだろう。

Z fcとの組み合わせでポートレイトを撮る

orphotographでは、ニコンのAPS-C(DX)モデルであるZ fcに装着してスナップポートレイトを試してみた。APS-C(DX)モデルに装着すれば焦点距離が約25-42mmで使用できる計算だ。ポートレイトで考えても、十分広角な守備範囲だが、街中やぶらり歩きのポートレイト撮影ならむしろ使いやすいレンズだ。

写りに関しては開放値から十分にシャープなため絞り込むようなシーンはほとんどなかった。f4まで絞り込めば周辺まで高い解像感が得られるため風景写真などの場合にはそこまで絞り込むといい。ボケ感に関しては、やや硬めな印象だが硬すぎるわけではなく、芯のある嫌味がないボケ味が特長だ。テレ側(約42㎜)で撮影することでポートレイトでの撮影にも意欲的に使える焦点距離になる。筆者の使い方は、基本テレ側に合わせておいて、広く使いたい場合には、ワイド側に寄せていくという使い方だ。40mm f2.8のレンズを使っているイメージでさらに周辺の情報を入れたい場合には、ワイド方向を使う。スナップ的なポートレイトならこの使い方が非常に使いやすい。解像感の高いレンズなので、味わい深い色味にしたければ、後でRAW現像で味付けすることでフィルムのような雰囲気に寄せることが可能だろう。

ポートレイトシーンを想定するならば、Z fcとの組み合わせの方が、万能的な使い方ができるレンズかもしれない。Z 6IIやZ 7IIと組み合わせると、風景写真など限定された使い方になってしまいがちだ。しかし、Z fcなら日常でも十分に使える焦点距離になるので、持ち出す機会が増えるのではないだろうか。このレンズを軸に標準域である35mmや50mmの単焦点レンズを購入すれば、システムとしての完成度が高くなる。Zシリーズは違うセンサーサイズでもマウントが同じなため、レンズ資産がそのまま使えるのがいい。ステップアップしたい人にもおすすめだ。


文・撮影/大貝篤史 モデル/森崎りな

■メーカー製品ページ
https://www.nikon-image.com/products/nikkor/zmount/nikkor_z_17-28mm_f28/