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SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary SHOOTING REPORT

約4分

Iシリーズにおいて2本目になる24mm広角レンズ

シグマより発売された24mm F2 DG DN | ContemporaryはIシリーズでは2本目になる24mm単焦点レンズだ。すでに先行して発売している24mm F3.5 DG DN | Contemporaryに比べるとさらに明るいレンズ。開放値がf2なので、被写体にそれなりに寄ることで十分なボケ量を感じられる。星景写真からポートレートまで幅広く使えるレンズだと感じた。

「I」シリーズの基本コンセプト通り、非常に質感の高い筐体は所有欲を高めてくれるし、何より使用中の手触りがしっかりしていることは、撮影時の「写欲」を高めてくれる。個人的に気に入っているのは、絞りリングのクリック感だ。撮影時に絞り値を変更したい場合には、ノールックでの操作が基本。そんなときでも、程よいクリック感で変更されたことを感覚で理解できる。特に慌ただしい撮影や動体撮影の場合にありがたい。AFとMFの切り替えスイッチも自然と手が行くところに設置されており、これまた使いやすい。シグマが言うところのビルトクオリティーはこのような配慮も含めての質感なのだ。

サイズ感に関しては長さが約72mm(Lマウント)で重さが約365g(Lマウント)と非常にコンパクト。これだけの写りのレンズを手軽に持ち出せるのは素直に嬉しい。昨今のミラーレスカメラは小型化が進んでおり、ボディーが小さいが故にレンズも小さくあってほしいと筆者は常々思っている。そういう人には本当におすすめできるレンズだ。かさばらないので、どこにでも持っていける。

Panasonic LUMIX S5 + SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary (上下共に)

十分なボケ味も楽しめる広角レンズ

24mmという画角ということもあり、風景写真や星景写真などで多く用いられるレンズだろう。そんな中、f2という開放値を生かしたポートレート撮影を行ってみた。広角レンズを使ったポートレートは難しいという人が多いが、意外にもハマるととてもおもしろい画角だ。グッと寄ることでダイナミックな画作りが可能であり、一般的な広めで使う使い方なら情報量の多い景色を生かしたポートレートが撮影できる。しかし、前者において重要になってくるのは「明るいレンズ」であることだ。この条件が非常に重要になり、俗にいう「エモい」写真が撮れるかどうかにかかってくる。広角ポートレートが難しいとされる理由のひとつでもあるのではないかと思っているが、モデルとのコミュニケーションが非常に重要になってくる焦点距離であることは間違いない。

24mm F2 DG DN | Contemporaryを使ってみて率直に感じたのは、その解像力だ。開放値から非常にシャープながらも繊細に細かいところまで描けるレンズで、ボケ感も硬すぎないどこか懐かしいボケ味だ。解像力とボケを両立させるこのレンズは、ポートレート撮影にはぜひ積極的に使ってほしいと感じた。絞り込むことで周辺まで非常に高い解像感を示し、全域でクリアな写真が撮れるだろう。このレンズは最近のレンズ傾向にある「解像感はあるがボケ味がいい」というセオリーに合致するだろう。ただ、Iシリーズ全般にいえるのだが、絞り込んでもボケの質感が損なわれない。これは正直驚かされる。まさに「ボケ味キング」といったところだ。このボケを生かすもいいし、明るいレンズという特長を生かし夜間の撮影を積極的に行うのもいい。撮れる被写体のバリエーションが広がり、表現できるテクニックも増えていく。まさに撮影者を育ててくれるレンズだ。   

Panasonic LUMIX S5 + SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary (すべて)


モデル/外山史織 文・撮影/大貝篤史

■SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary
https://www.sigma-global.com/jp/lenses/c021_24_2/

https://orphotograph.com/2021/01/06/sigma-i-series-shooting-report